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「通帳を盗んだでしょ」と親に疑われたら|認知症の物盗られ妄想・やってはいけない対応と正しい接し方

11 分前
読了時間: 5分

⚠ まず、これだけは避けて


「盗ってない」と強く否定する・問い詰める・証拠を突きつける。この3つは、本人をさらに不安にさせ、妄想を強めてしまいがちです。理由とともに、後ほどくわしく説明します。



物盗られ妄想はなぜ起こる?一番そばにいる私が「泥棒」にされる理由


物盗られ妄想は、認知症の「行動・心理症状(BPSD)」と呼ばれるもののひとつです。大切な通帳や財布、指輪などが「見当たらない」という不安が出発点になっています。


認知症になると、自分で物をしまった記憶そのものが抜け落ちてしまうことがあります。すると本人の中では「ちゃんとしまったはずなのに、ない」という状況が生まれます。「失くした」とは思えないからこそ、「誰かが持っていったに違いない」という結論にたどり着いてしまうのです。


そして、その「犯人」に選ばれてしまうのが、たいてい一番近くで世話をしている家族です。これは、あなたが信頼されていないからではありません。いちばん安心できて、何を言っても離れていかないと感じている相手だからこそ、言いやすいのです。むしろ信頼の裏返しだと考えると、少しだけ気持ちが和らぐかもしれません。


物盗られ妄想のうしろにある気持ち


  • 不安:大事なものが見つからない、という強い心細さ。

  • 自尊心:「できていたことができなくなった」とは認めたくない気持ち。

  • 孤独:誰にも分かってもらえないのでは、というさびしさ。


なお、物盗られ妄想は比較的軽い段階で見られやすいと言われています。「しっかりしている部分があるからこそ起こる」症状でもあるのです。



【Q&A】認知症の物盗られ妄想、こんなときどうする?


【Q&A】認知症の物盗られ妄想、こんなときどうする?

Q1. 「盗ってない」と、ちゃんと証明したほうがいい?


いいえ、証明しようとしないほうが落ち着きます。認知症の妄想は、事実や理屈で説明しても訂正がむずかしいのが特徴です。否定すればするほど「この人は分かってくれない」と感じ、かえって不信感が強まってしまいます。正しさで勝とうとせず、まずは本人の「困った」という気持ちに寄り添うことを優先しましょう。


Q2. 犯人扱いされて、正直つらい。どう受け止めれば?


「病気がそう言わせている」と、本人と症状を切り分けて考えてみてください。あなた個人を責めているのではなく、不安が「泥棒がいる」という形で出てしまっているだけです。とはいえ、頭で分かっていても心は傷つくもの。つらいときは一人で我慢せず、後述の相談先を頼ってください。


Q3. その場で疑われたら、なんて声をかければいい?


まずは「それは困ったね、一緒に探そうか」と、味方として寄り添う言葉から入ります。見つけたときは、あなたが差し出すのではなく、本人が自分で見つけられるようにそっと誘導するのがコツです。自分で見つけられれば本人も納得でき、「あなたが隠していた」という話に戻りにくくなります。


Q4. 毎回同じことを言われる。繰り返しを減らすには?


根っこにある「不安」をやわらげることが近道です。通帳や財布の置き場所を決めて一緒に確認する、本人にも分かる場所に収納する、生活のリズムを整えて安心できる時間を増やす、といった工夫が効きます。妄想そのものと闘うより、環境を整えて不安の芽を減らすイメージです。


Q5. 家族だけでは抱えきれない。どこに相談すれば?


まずはお住まいの地域の地域包括支援センターへ。介護や認知症の相談を無料で受け付けてくれる、身近な公的窓口です。すでに介護サービスを利用していればケアマネジャーに、症状が急に強くなったときはかかりつけ医や「もの忘れ外来」などの専門医に相談しましょう。つらさを一人で背負わないことが、何より大切です。


この記事のまとめ


  • 物盗られ妄想は認知症のよくある症状。疑われるのは「一番安心できる相手だから」。

  • 否定・問い詰め・証拠突きつけは逆効果。まず気持ちに寄り添う。

  • 「一緒に探して、本人が見つける」形が、いちばん角が立たない。

  • 置き場所を決めるなど、環境を整えて不安を減らす。

  • 抱え込まず、地域包括支援センターなどの相談先を頼る。


「泥棒」と疑われるのは、介護の中でもとりわけ心が削られる瞬間です。でも、それは本人があなたを一番頼りにしている証でもあります。すべてを完璧に受け止めようとしなくて大丈夫。周りの力も借りながら、あなた自身の心も大切にしてください。

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。症状の程度や対応は個人差が大きく、制度は今後変わる可能性があります。気になる症状や具体的なご相談は、お住まいの自治体の窓口(地域包括支援センター等)や、かかりつけ医・専門機関にご相談ください。



📋 参考・参照情報


※掲載情報は執筆時点のものです。制度・数値は改定される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトをご確認ください。

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